ノートPCのSSDのクローンを作成して換装した手順を記録した。
クローンの方法は主に以下のサイトを参考にさせていただいた。
・EaseUS Todo Backup の使い方: GPT Windowでクローンに失敗しない手順 -その1
・その2 - 実際にクローンする手順
・その3 - クローンした後のチェックとブート領域の再構築
・その4 - クローン後、正常に作動しない場合のチェックポイント
この記事は個人的な作業の記録のため、細かな部分は割愛している。
なお筆者の技量は初心者に毛が生えた程度であり、かつ親切に書いた記事ではないので、実行される場合は上記サイトやその他の情報を把握しておくことをお勧めする。
また、この記事に関する一切の責任を負わない。
もくじ
1:実施した環境
2:用意するもの
3:事前準備
4:クローンの作成
5:ブート領域の再構成
6:スタートアップの修復
7:回復環境を認識させる
8:復旧・確認作業
9:謝辞と備考
1:実施した環境
・windows11home(23H2)のノートPC(intel i5第10世代 オリジナルOSはwindows10)
※Home版はBitLocker機能がないので未設定
・メーカーのリカバリ領域あり
・パーテーションは初期状態のまま
・SSDからSSDへのクローン
・クローンアプリはAcronis true image for crucialを使用
・microsoftアカウントは設定済み
・2024年3月に実施
2:用意するもの
・クローン先のSSD
・USBメモリ2個(windowsインストールメディア用とリカバリメディア用)
3:事前準備
・BIOSから起動する場合のキーを確認する(F2等)
・クローンアプリをダウンロードしPCにインストールする
・リカバリメディアを作成する(メーカー製PCの場合)
・クローン元と同じOSバージョンのインストールメディアを作成する
・マイクロソフトアカウント、パスワード、PINをメモしておく
※パスワードは記号を使わず英数字のみがベター
・システム情報(msinfo32)でBIOSモードが UEFIかレガシーBIOSかを確認する
※以下、UEFIであることを前提として進める
・システム情報でセキュアブートが有効または無効かを確認する
・ディスクの管理→クローン元ドライブのプロパティ→パーテーションのスタイルでMBRかGPTかを確認する
※以下、GPTであることを前提として進める
・windowsの生体認証を無効にする
・windowsの高速スタートアップを無効にする
・windowsのディスクの管理でクローン元のパーテーションの状況を記録する
・BIOSでセキュアブートを無効にする
・BIOSでFast Bootを無効にする→当該機に設定項目無し
・BIOSでTPMを無効にする→今回ここは無視し、初期状態のままとした
・BIOSでブート順をUSBが優先するように変更する
・セキュアブート変更後に2回再起動し、BIOSとmsinfo32どちらもセキュアブートが無効になっていることを確認する
・クローン先SSDを外付けケースに入れて繋ぎ初期化する
※OSの入った中古SSDを使う場合はwindows上でかまわないので
システム領域をフォーマットしてこのドライブから起動できないようにしておく
※インストールメディアでPCを起動→次へ→コンピューターを修復する→トラブルシューティング→詳細オプションからコマンドプロンプトを選択し以下のコマンドを実行する
diskpart
list disk (リストからクローン先のディスクの番号を確認)
select disk x (xの部分にクローン先のディスク番号を入れる)
detail disk (クローン先のディスクになっているかを確認する)
clean (SSDを初期化する)
convert mbr (MBR形式に変換する)
※重要: UEFIでクローンする場合でも一度MBR形式にする
exit (終了)
4:クローンの作成
・windowsを起動しクローンアプリを実行する
・アプリのクローン作業が終わったらPCをシャットダウンする
※再起動はしない
※まだwindowsは起動しない
・クローン元SSDを外し、クローン先SSDに換装する
・上記以外のドライブが接続されていれば外す
5:ブート領域の再構成
・インストールメディアからPCを起動する
※内蔵SSDから起動しないよう注意すること
・コマンドプロンプトを表示し以下のコマンドを実行する
bootrec /rebuildbcd
※「Windows のインストールとして認識された合計数」を確認、
1ならば正常、0ならば以下のコマンドを実行して隠しドライブを探し、
以下のコマンドでドライブレターを付与する
diskpart
diskpart> list volume
diskpart> select volume X (Xはドライブレター)→FAT32のパーテーションを選ぶ
※FAT32が一つとは限らないので要注意
参考サイトの画像とディスクの管理をメモしたものを比較し、理解してから行うこと
diskpart> assign letter b: (bはドライブレターの例 未使用レターとする)
diskpart> exit
・引き続きブート領域の再構成を実施する
X:> cd /d b:\EFI\microsoft\boot (ドライブとディレクトリを移動する)
b:> del bcd (bcdファイルを削除する)
b:> bootrec /rebuildbcd (bcdファイルを再作成する)
※認識された合計数が1になっていれば正常
※ブート一覧に追加しますか?でYes(Y)
b:> bootrec /fixboot →「アクセスが拒否されました」と出るが次に進む
※このままでも問題なさそうなので放置
b:> bcdboot c:\windows /l ja-jp (日本語に設定する)
b:>exit
・コマンドプロンプトの終了後、再起動はせずに、「オプションの選択」からトラブルシューティング→スタートアップ修復に進む(次項)
6:スタートアップの修復
・ここで回復環境のトラブルシューティングからスタートアップ修復を行う
・「スタートアップ修復でPCを修復できませんでした」と出ても気にせず無視して「詳細オプション」から再度スタートアップ修復に入り、計3回行う。
7:回復環境を認識させる
・インストールメディアを外し、内蔵SSDからwindowsを起動する
・PINの再設定の指示に従う
※どこかの時点でTPMがクリアされた?
・設定→システム→回復→PCの起動をカスタマイズ→今すぐ再起動を実施
・オプションの選択→トラブルシューティング と進む
・ここで「このPCを初期状態に戻す」が表示されれば成功、後述の復旧確認作業に進む
※ほとんどの場合で表示されないので気にしないこと
表示されない場合は次に進む
※このままだと回復機能が正常に作動しない可能性が高い
・終了してwindowsを起動する
・windowsのコマンドプロンプト(管理者)を起動し以下を実行する。
reagentc /info
※windows REの状態:Disabledと表示されるはず
reagentc /enable
reagentc /info
※windows REの状態:Enabledと表示されれば成功
・再びインストールメディアから起動し、スタートアップ修復を2回行う
・windowsを起動し、設定→システム→回復→PCの起動をカスタマイズ→今すぐ再起動を実施
・オプションの選択→トラブルシューティング と進み、
「このPCを初期状態に戻す」が表示されればクローンの作成はひとまず成功。
8:復旧・確認作業(状況に応じて必要な部分を実施)
・BIOSでセキュアブートを有効にする
・msinfo32でセキュアブートが有効になっているかを確認する
・msinfo32でBIOSモードが UEFIになっているかを確認する
・ディスクの管理でパーテーションを旧SSDと比較、確認する
・windowsの設定で生体認証を再設定する
・リカバリディスクを作成し機能するかを確認する
・BIOSでブート順を変更する
・windowsの設定で高速スタートアップを有効にする
9:謝辞と備考
・参考サイトの作者さんには心より感謝申し上げます
・クローンアプリの操作については記載していない
・ bootrec /fixbootで「アクセスが拒否されました」と表示される件は、このままでも問題なさそうなので放置している。参考サイトでも別記事で言及されている。
・TPMは無効化しなくても大丈夫かもしれない(よくわからない)
・windows がpro版だとセキュリティの設定によっては別途操作が必要になるかも(BitLockerの処理など)
・今回はMSアカウントのパスワードを入力することは無かったが、過去にwindows10のクローン作業を行った際は必要だったことがあった
・HDDからのクローンを作る場合は上記以外にも確認事項がある。また過去の作業ではエラーが出てクローン出来ないことがあった
・無駄な工程もあるかもしれないが、失敗するよりマシなので残してある
・windowsのバージョンによってメニューの位置など細かな部分が違う可能性はあるが、大筋は記載した流れでいけると思われる
・SSDやクローンアプリメーカーのサイトで、クローンは簡単にできる的な記事を見かけるが、鵜呑みにすると痛い目にあうかもしれない
・メーカー製PC、特にデスクトップPCでドライブ構成が複雑な場合、難易度が上がる可能性がある(過去に大ハマリした経験あり)
以上