Youtubeで公開されている講義音声をWindows11のノートPCで録音したところ、動画サイトで再生したものと録音したもので音が違うことに気づいた。その原因と対策のメモ。
実験した環境は以下の通り
・ノートPC:dynabook製 intel i5-10th
・OS:Windows11(23H2)
・サウンドデバイス:Realtek audio(関係ないかもしれない)
・アプリ:Audacity 3.4.2
音の変化としては、まず低音域が薄くなっていると感じた。またスピーカーの箱鳴りのような付帯音も感じた。
原因を探るが、まずはAudacityの設定を疑ってみた。
内部音声を録音するには、audacityのオーディオ設定でホストをWIndows WASAPIに設定する。ここは問題ない(はず)。
次に再生デバイスと録音デバイスの設定だが、ノートPCにヘッドホン(イヤホン)を接続するかしないかで選択肢が変わってくる。ヘッドホンを繋いでいない場合はスピーカー(またはスピーカーとマイク配列)が選択肢となる。ところがヘッドフォンを繋ぐと、上記に加えてヘッドフォンが選択できるようになる。ここが怪しいのではないか。
※ノートPCによっては上記と振る舞いが異なる場合があるようだ。手持ちの富士通製(i5-7th windows11)で試したところ、ヘッドフォンを指しても選択肢はスピーカーのみだった。そのような場合は、下記の解決策その1では意味が無いと思われ、対策案その2での対応が必要となろう(20240405追記)。
そこでヘッドホンを繋ぎ再生・録音デバイスをヘッドホンとした場合と、ヘッドホンを状態と繋がない状態でデバイスをスピーカーとして録音した音を比較したところ、デバイスをヘッドホンとした方はオリジナルと違和感の無い音で録れることがわかった。
よって、解決案その1は以下の通り。
「録音するときはヘッドホンを繋ぎ再生・録音デバイスをヘッドホンとする」
しかしこのままではまだ気持ちが悪い。いちいちヘッドホンを繋ぐのも面倒だし忘れることもあるだろう。他に対策があるか検証を進めた。
音質が変化する原因は、おそらくノートPCに内蔵されたスピーカーに合わせてドライバ(?)が音に変化を加えているのだろうと予想した。
※再生と録音のデバイス選択でスピーカーとヘッドホンが1行に併記されている場合はこの変化が起きる可能性は低いと思われる。
次に、周波数特性の比較を行った。
ざっくりした流れとしては、audacityでピンクノイズの音声ファイルを作り、それをメディアプレーヤー等で再生した音をaudacityで録音しスペクトル解析する、という作業となる。
まずaudacityで作ったピンクノイズのスペクトルがこちら。
次にデバイスをスピーカーとして録音した場合のスペクトルはこちら。
一見して分かる通り、波形が変化し低音が削られている。
次に、windowsの設定でこの音質変化を回避できないかを試す。
結果的には可能だった。windowsの設定箇所は以下のとおり(windows11-23H2の場合)。
設定>システム>サウンド>すべてのサウンドデバイス>スピーカー>オーディオの強化
で、デバイスの規定の効果をオフにする。これで録音デバイスをスピーカーとした場合の音の変化が回避できる(と思われる)。
試しに上記設定でスペクトル解析したところ、オリジナルとほぼ同じになった。
という訳で、解決案その2は
「windowsのサウンドデバイスの設定を変更してヘッドホンとスピーカーの出力波形が同じになるようにする」
対策案は以上の2つ。私は2つ目の対策を取る。なおwindows10だとオーディオ設定の選択肢が異なるようなので上記のような対策は不要かもしれない。しかしどのようなPCであっても、windowsのサウンドデバイス設定から音響効果をオフにすることで録音時の音質変化の回避は可能であろう。
しかし付帯音を感じる件は、おそらくディレイ音を付加してるか位相をいじっているかだと思われるが、この時点では未検証。
最後に、筆者の技量はたいしたことがないので話半分としてほしい。もちろん何があっても責任を取ることはできない。