ヘッドホンのイヤーパッドを交換した話

中古でSONYのモニターヘッドホン、MDR-1Rを入手した。
2012年に発売され、後継機種がいくつも出ているので中古品は4000円前後で入手できるのだが、もともとの定価は約3万円。古くなったとは言えども音質は新品の同価格帯と比べてがっかりすることは少ないだろう(好みは別にして)。ケーブルの交換(リケーブル)にも対応しているので、遊べる余地も多い。
 
程度の良かった中古を選んだものの、イヤーパッド加水分解が進み表面の合皮の一部ははがれている。純正のイヤーパッドは既に流通していないがAmazonやAliExpressで互換品を入手できる。今回はアリエクで発注したところ、約一週間で到着した。
交換作業はスマホの分解によく使われるブルーのプラスチック工具があれば比較的簡単に古いパッドを外すことができる。工具の先端を隙間に差し込み、てこの原理で爪を外していく。
 
全体を外したら、古いパッドに装着されたプラスチックのフレームを外し、新しいパッドに移植して再利用する。左右、上下は外した段階で確認しておくのがベター。
フレームを移植したら本体とフレームの爪を合わせてパチパチとはめ込めば完了。
 
MDR-1Rの後継機種はMDR-1Aになるのだが、今回購入したイヤーパッドは両方に使える表記になっている。フレームは共通だが、パッドの厚みはMDR-1RよりもMDR-1Aのほうが厚くなっている。今回購入したイヤーパッドは1A相当の厚みのものだが、オリジナルより厚くなることを承知のうえで交換した。音質は多少変わると思われるが、装着感の良さを優先した。
 
ソニーのモニターヘッドホンといてはレコーディング業界の標準と言われるMDR-CD900STが有名だが、イヤーパッドはかなり薄く、ドライバーユニットと耳が非常に近い。ドライバーユニットの外周にはウレタンのリングがあり、なるべく耳に近い位置で、音をダイレクトに届かせたい意図が伺える。そこから1R→1Aと後発機種ほどイヤーパッドが徐々に厚くなりドライバーユニットと耳の距離が離れていくのは興味深いところ。
 
試聴したところ、音質に変なところは感じられず装着感は向上したので、満足のいく交換となった。